住苑さんの成り行き人生
(住苑と書いて「じゅうえん」と読みます)
| 昭和31年の春、名古屋の下町で、ひとりの男の子が生まれました。 ひとりで遊ぶことの好きな、おとなしい男の子でした。 10歳の頃、親の仕事の都合で石川県に引越しをしました。移り住んだ先は、当時はまだ田んぼの多い、自然の豊かなところでした。一歩家を出ると霊峰白山を望むことのできるその土地を、少年は今でもしっかりと記憶に留めているようです。高校の時、フォークソングに興味を持った少年は次第に音楽が生活の中心になってゆきました。やがて大学受験を経て、名古屋の某大学の文学部に入籍した彼は、それこそ4年の間、音楽漬けの学生生活でした。しかしその時、彼は廻りを見て悟りました。「自分には音楽の才能がない。」 と。 それ以来、音楽は彼にとって聞いて楽しむ存在となり、打ち込む対象をなくした彼は、大学を卒業した後、とりあえず広告代理店に就職しました。でも「何かが違う。」と感じ続けていた青年は、半年もたたずにそこを辞めました。またしても目標を失った彼は、アルバイトを転々とした後、大学時代の友人の勤める店舗内装会社にバイトとして入りました。思えばこれが彼の人生の転機だったのでしょう。「何か、面白い。」と感じた青年は、1ヵ月後には正社員となり、色々と現場を経験してゆきました。自分で家具を作るのも好きでした。何よりも、物を作っていることが面白いと感じることができたとても楽しい時期でした。 やがて、物を作る前には設計というものが存在することを知った彼は、漠然とではあるが、その「設計」に興味を持ちました。すると不思議なことに、今度は設計も勉強させてくれるという会社から声が掛かりました。まだ若かった彼は、「渡りに船」とばかりに移ってしまいました。そこでは6年間様々なことを学びました。と同時に以前の会社とも付き合いが甦り、色々な刺激を受けました。少しづつ、自分の創りたいものが見えてきました。そして独立です。無計画な彼は、何の資格も持たぬまま始めてしまいました。昭和62年、その時すでに31歳でした。 当初は自宅を事務所として、インテリアのデザインの仕事をしていました。そして、建築士の資格を取得した平成3年、自宅とは別に事務所を借り、建築設計の住苑が誕生しました。大学で建築の専門的な勉強をしてこなかった分、スタートが遅れてしまいましたが、「夢だけは大きく持っているぞ。」と住苑さんは申しております・ |